ツノミカドヤモリの飼い方
特徴
飼育:簡単 |
入手しやすく丈夫で、ちょっと攻撃的なヤモリです。
"湿度"と"栄養"、特にカルシウムに気をつけていれば、飼育は簡単です。体も丈夫で、温度管理も適当でいいので楽です。突然食べなくなることもありますが、放っておけば治りますし、繁殖も難しくないです。
ヒョウモントカゲモドキほど楽ではありませんが、ツノミカドヤモリも初心者向きのトカゲだと思います。ただ、買う時は絶対に一匹で飼わないと、共食いするので注意しましょう。
いちおう触れ合うことも出来ますが、基本的に"見て楽しむ"トカゲなので、あまりハンドリングしないようにしましょう。クセのある性格をしている子が多いので、飼う前にしっかりと店員さんに世話のコツを聞いておくことをおススメします。
大事なポイントが2つ。
「湿度管理」と「栄養」です。
この二つをきちんとしないとトカゲはすぐ体調をくずしますが、霧吹きと人工飼料を使えば管理は簡単です。成長はゆっくりなので、のんびり育てたい方向けです。
ツノミカドヤモリの場合、すぐクル病になるので、カルシウムをしっかりと与え予防しましょう。
ツノミカドヤモリのエサ
基本的に肉食ですが、何でも食べるので、栄養のしっかりした専用エサを与えましょう。健康に一番いいです。
専用エサは粉なので、カルシウムを追加しつつ、水に溶かしてゼリーにしたり団子にしたり、トカゲが好きな固さにして与えましょう。よく食べると思いますが、もし食いつきが悪いときは、粉を100%フルーツジュースで溶かしてみてください。それでも食べないときは、わざと2,3日水を与えず、のどがかわいた頃にゼリーを与えてみましょう。
専用エサがあるおかげでエサやりはとっても楽です。これにカルシウムを添加するだけで、虫に触らなくてもいいし、保存も効くし、よく食べるし、トカゲも健康ですくすく成長します。
幼いうちはエサを毎日与えましょう。体長10cmくらいになれば、エサは週3回くらいでよくなります。専用エサを使ってもカルシウム不足にはなりやすいので、カルシウムだけはしっかり添加しましょう。たまに外に出して、動きがおかしくないか、ジャンプできるかなど見てやってください。
》専用エサを探す!
》カルシウム添加剤を探す!
水を与える
水を入れた容器を入れておいても、無視されます。
なので水入れは必要ありません。トカゲにかからないよう毎日ケージに霧吹きをし、ケージについた水滴をなめさせましょう。
湿度と温度
温度は25℃~35℃くらいが適温で、40度以上だと暑すぎ、20度以下だと寒すぎです。日本では真夏と冬以外そんなに気温を気にしなくてもいいです。トカゲがよく居る高さに温度計を入れ、寒かったらケージの下にパネルヒータを敷き、暑かったらケージを涼しい場所に移動させましょう。
温度は適当でもいいですが、湿度管理はしっかりしてください。トカゲが幼いうちは濡らした水ゴケを床に敷き、トカゲの体にかけないよう注意しながら毎日ケージ全体に霧吹きしましょう。トカゲの水分補給にもなります。大人になったら床材はヤシガラに替えてもいいですが、水ゴケのままにしておいたほうが脱皮はスムーズです。
旅行などで家を開けるときは、園芸用の自動水やり器などを利用しましょう。とにかく湿度が足りないと、脱皮が出来ず、しっぽが切れたりするので、しっかり管理したいところです。
掃除をする
専用エサを与えていれば、フンの掃除も楽です。
壁についた糞をふき取るだけできれいになります。
湿度を保つためケージが汚れます。月一くらいでしっかりケージを洗って熱湯殺菌したほうがいいかも?
まとめ
必ずやること:
1.毎日トカゲにかからないよう霧吹きで水を与える。
2.カルシウムをしっかり添加したエサをやる。
3.フンをとりのぞき、月に一度くらいはケージを丸洗いする。
4.温度を25℃~35℃に保つ。
やったほうがいいこと:
5.水ゴケを使ってウェットポイントを作る。
ゲージ 45.5×30.5×35cm 税込:13,165円 |
ケージ
ケージは幅40cm×奥行き20cm×高さ20cmくらいの大きさで十分ですが、つがいで飼う場合は、幅60cm×奥行き30cm×高さ30cmは必要です。 |
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ハスクチップ 税込:592円 |
床材
湿度管理が楽なので、水ゴケやキッチンペーパーがおススメ。キッチンペーパーを重ねてしいておき、汚れたら一枚めくるだけで清潔に。霧吹きで湿らせれば保湿にも役立ちます。 |
保温ヒーター 25×20cm 税込:6,450円 |
保温
25℃~35℃くらいに保てれば大丈夫。 |
スプレー容器 税込:198円 |
霧吹き
毎日霧吹きして湿度を保ちましょう。 |
シェルター 13×13×6,5cm 税込:548円 |
シェルター
木の上で過ごすトカゲなので、流木や木の枝を入れておきましょう。 |
UV照明 税込:1,715円 |
照明
昼に活動するトカゲなので、紫外線の出るライトを設置しましょう。紫外線が足りないと、クル病になる危険があります。 |
温度、湿度計
トカゲの健康管理に役立ちます。 |
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ウェットシェルター 15×12×9cm 税込:738円 |
ウェットシェルター
床材に水ゴケを使っていない人は、ケージの片すみに濡らして軽くしぼった水ゴケを入れたウェットシェルターを作っておくと、脱皮が楽になります。消臭、抗菌効果もあります。乾いたら霧吹きなどでつねに湿らせておきましょう。 |
サーモスタット 税込:4,065円 |
サーモスタット
自動で温度管理をしてくれるので、飼育が楽になり、またヒーターが不要なときは勝手に電源が落ちるので、電気代の節約にもなります。冬の保温に、ぜひヒーターといっしょに買っておきたい便利グッズです。 |
観葉植物 税込:1,810円 |
観葉植物
植物は湿度管理に役立ち、シェルターの役割も。見た目がぐっと良くなるので、こだわりたい方は設置すると良いでしょう。
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このトカゲは暴れて飛び跳ねることがあります。
うっかり落とすと大変なので、まずケージの前に座りましょう。
そして、下からすくうようにトカゲを手に乗せます。このとき、体を掴みあげたり背をなでたりしてはいけません。トカゲがビックリしてしっぽが切れてしまいます。
うまく手の平に乗せたら、動きに合わせて次々と手を差し出してください。行きたい方向に手を出してあげるのがポイントです。
触れ合っている間、噛まれないように注意しましょう。口に手を持っていかなければ基本的には噛まれません。ついでに健康チェックもできます。歩くときに体がナナメになっていたり、くるくる回っていたら病院に連れて行きましょう。
トカゲは触られるのが嫌いです。
あまりストレスを与えないよう、やさしく扱ってあげてください。
健康
ミカドヤモリは指が多いなどの奇形がいますが、飼育に問題はありません。
ほかと比べて体が大きいトカゲもおススメ。親から健康な体をもらい、エサをたくさん食べている丈夫なトカゲである可能性が高いです。
また、動きで健康を知ることもできます。くるくる回っていたり、体が傾いているトカゲは病気の可能性が高いので避けましょう。
性格
個性的というか、クセのある子が多いです。店員さんに、しっかり性格を聞いておきましょう。「何日おきに」「何のエサをどれくらい」与えていたのか、今までどうやって育てていたのか聞いておくと失敗が無いです。
性別
オス?メス?
オス同士は殺しあうので、絶対に一匹で飼わなければなりません。メスは穏やかですが、ちょっと信用できないのでやっぱり一匹で飼うのが無難。
繁殖を考えるならまずはメスをじっくり育てましょう。純粋に飼育を楽しみたいならオスを一匹で飼うのがおすすめです。オスの方が大きく魅力的に育ちます。
しっかり育てたメスと禁欲させたオスが居れば、交尾させるのはそんなに難しくはありません。ただ、ミカドヤモリは殺しあうような交尾をするので、大切に育てたトカゲが傷だらけになったり、しっぽが切れて衰弱することになります。
また、このトカゲは一匹で飼わないと共食いを始めます。一回の交尾で10個くらい卵を産むので、順調に育てば10個のケージが必要になります。そしてトカゲの寿命は15年~30年。最後まで飼えるのか、だれかにゆずるのか、産まれたトカゲのことをちゃんと考えてから繁殖に挑んで下さい。
オス、メスの見分け方
まずは3年ほど、じっくり育てましょう。繁殖させたい場合も、共食いするのでペアで飼うのは絶対ダメです。オスは一匹で飼って禁欲させましょう。
繁殖可能になると、オスはしっぽの付け根がぷっくりふくらみます。そうなったら様子を見て、ふくらんだ部分をなめるようになったら準備万端。メスは特に変化しないので、3歳か4歳になったら繁殖可能だと思って下さい。これより若いと体が耐え切れず、背骨が曲がったり死にかけたりします。
交尾
タイミングはオスのしっぽの付け根がふくらみ、食欲が落ちたとき。
同じくらいの大きさのオスとメスを、同じケージに入れると、すぐにオスがメスの首に噛み付き、交尾が始まります。とても暴力的なので、終わったらすぐオスとメスを引き離しましょう。オスとメスを一緒にしてから数日たっても交尾が始まらなかったり、メスが未受精卵を産む場合は、1,2ヶ月夜の温度を20度に下げクーリングします。そして日を改め、再チャレンジしてみましょう。
とにかくすぐ共食いするので、交尾中はしっかりと見張って下さい。首ではなくしっぽに噛み付いたら食べようとしています。引き離しましょう。
産卵
交尾後、受精していれば数週間でメスのお腹に卵が透けて見えます。
卵が見えるようになったら、産む場所を用意しましょう。
メスがゆったりと入れる大きさのタッパーに、軽く湿らせたヤシガラやバーミキュライトを10cmほど敷いておきます。メスはタッパーに入り、2ヶ月おきに2個卵を産むでしょう。4~5回ていど出産します。この間、メスにはしっかりとカルシウムを添加したエサを与えてください。
ふ化
卵を産んだら、床材をしいたケージに卵をうつします。
床材は軽く湿らせた水ゴケや、バーミキュライトなどがおススメ。
このとき、産んであった時のまま、卵の向きを変えないよう注意して下さい。上下が変わったり、卵がシェイクされたりすると、赤ちゃんは死んでしまいます。
温度は28℃、湿度は80%にキープ。
温度による性別の変化はまだ解明されていません。
2~3ヶ月ほど待てば赤ちゃんが出てくるはずです。
メスの管理
1シーズンに一度の交尾で2ヶ月おきに4~5回ほど出産します。
メスがとても疲れるので、エサは栄養の高いもの、とくにカルシウムが摂取できるようにし、エサをやる回数も多めにしましょう。
赤ちゃんの育て方
産まれて数日間は、温度28℃、湿度80%をキープしてください。
すぐに脱皮をはじめます。数日待ってからエサを与えますが、エサは専用の人工エサを、少しずつ何回も与えるようにしましょう。
ミカドヤモリは、なぜ病気になるのかなぜ死ぬのか、ちょっとわからない生き物なので、病気になったらすぐに病院に任せた方が良いです。それでも良くならないこともあるので、病気になったら覚悟しておきましょう。
エサを食べない(拒食): 季節の変わり目や、繁殖の時期にエサを食べなくなるのはふつうのことです。 それ以外の時に食べなくなるのは、ストレスが原因か、もしくは今のエサに飽きて食べたくないだけでしょう。あまり触れ合わないようにして様子を見て、それでも食べなければエサをコオロギやマウスに変えてみてください。食べるものが見つかったら、しばらくそれを与え、再び栄養の良い専用エサに切り替えましょう。
フロッピーテール:
しっぽの付け根がくぼみ、しっぽがひょろひょろになります。
トカゲが逆さまに張り付いたとき、しっぽがへろっとしていたらこの病気。ほおって置くとしっぽはどんどん変形していきます。
原因は、なんとケージのレイアウトが気に入らないから。このケージは嫌だ!と思ってケージに逆さまに張り付くようになり、尾が変形してしてしまうようです。
こうなったら、とにかくケージのレイアウトを変えて、カルシウムとミネラルをたっぷり与えましょう。一度変形してしまうと、治らないので、これ以上変形しないよう手を尽くすしかありません。
通風:
手足がむくみ、動けなくなります。動きもおかしくなり、細かく震えていたり、ふらふらしていたり、頭が重そうにへばっていたりします。
原因は水不足。水をきちんと飲めていない可能性があります。エサの水分を多めにする、または霧吹きでケージ内にたくさん水滴を作るなどして、水分補給させてあげましょう。最悪死ぬこともある病気ですので、早めに対応したいところです。
むくみ:
通風とは別に、温度が高すぎたり低すぎたりしても体がむくんでしまいます。
温度を28℃くらいにキープすると、自然にもとにもどります。
クル病:
ツノミカドヤモリに多く、足が動かなくなったり、口が変形したりします。
原因はカルシウム不足。すぐにエサに混ぜるカルシウムの量を増やして下さい。
症状がひどいときは、出来るだけ早く病院に連れて行きましょう。完治はしない病なので、ふだんの食事、特に出産前後はカルシウムをたっぷり与えて下さい。