ヘビの飼い方を、分かりやすくご紹介します。

矢印 1.ヘビを知ろう!

ヘビは手も足もまぶたもない、不思議な生き物です。
世界中のいろんな所に住んでいて、木の上で生活できるよう尾が進化したヘビや、砂漠で暮らすために面白い移動法を身につけたヘビなど、個性もいろいろ。それぞれ育て方も違います。

共通するのは肉食であること、とても繊細な生き物であることです。
人間が歩いたときのちょっとした振動や、いつもと違う場所を警戒し、エサを食べなくなったり、吐いたりします。また、人と触れ合うのが好きではありません。ヘビを首に巻いて生活したい、リボンを巻いてあげたい、と考えている方は、理想と現実の違いにガッカリするかと思います。

ヘビと友達になれる?

ヘビとは心を通わせることも、友達になることも、出来ないと思って下さい。
人に出来るのは、安全だと思ってもらうことと、触れても怒られないことです。

そして、ヘビにとって触れられることはストレスである、と言うことを知っておいて下さい。
人と触れ合わないほうがヘビは長生きする、と書いてある専門書もあるくらいです。どんなに触りたくても、長い時間触れ合うのは避け、ヘビが疲れていたら、すぐにケージに戻して下さい。人とヘビは違う生き物で、考え方や感じ方も違うのです。
どんな飼い主でもヘビに噛まれるので、触れ合いたい人は噛まれる覚悟をしておきましょう。もちろん血が出るので、救急セットを用意しておくといいでしょう。

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矢印 2.飼い主の心構え

ヘビの寿命は種類によってさまざまですが、平均で10~30年くらい生きます。
ヘビを飼うということは、ヘビが生きているあいだ、結婚しても子供が出来てもずっと面倒をみるということです。食事はもちろん、温度管理やケージの掃除、安全管理など、すべてが飼い主の責任です。

5年後、10年後の生活を想像してみてください。
あなたの周囲の人は、ヘビを受け入れますか?生活が変わっても、ヘビの世話をつづけられますか?ヘビと暮らす毎日はとても素敵なものですが、ヘビを理解せずに飼いはじめると悲劇がおこる場合があります。飼う前にきちんとヘビを知って、考えてください。

ヘビが飼えなくなる理由

チェック 引っ越し先がペットを禁止している
チェック 婚約者や周囲の人がヘビを認めない
チェック 家族の介護や子供の世話のため
チェック ヘビが人を傷つけた場合
チェック 飼い主が病気や怪我になる

※こうなったときのために、事前に対策を考えておきましょう。
 間違ってもヘビを捨てたりしないで下さい。

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矢印 3.ヘビはどこで買えるの?

ヘビを手に入れる方法は、ショップで購入する、だれかに譲ってもらう、自分で捕獲する、などです。
体にしわがあったり、痩せていたり、白い粉がついているヘビはお迎えしないようにしましょう。そういうヘビは、弱っているので死んでしまう確率が高いです。
まれにショップなどにウロコがおかしい奇形の子を見かけますが、これは近親交配によるものです。見た目が悪いだけで、健康には問題ないといわれています。お迎えしても大丈夫でしょう。

ヘビの入手方法と注意

矢印 ショップで入手する
ヘビを初めて飼う方は、ペットショップで購入しましょう。
ネットで近場のショップを探せば、わりと簡単に見つかるはず。
野生のヘビは病気や寄生虫の危険性があるので、人が卵から世話をしたヘビをオススメします。そして、環境の変化に強い生まれてから2~3ヶ月の子供のヘビを選びましょう。できればショップの人にエサやりを見せてもらって、ちゃんと食べるかどうかも見ておいたほうが良いです。
お迎えする時は今までの飼育法や、病歴、与えているエサ、性格など、しっかりと店員さんに聞いておきましょう。

矢印 知り合いから譲ってもらう
↓こんなサイトがあります。
ペット・いきもの交換会
また、ツイッターなどで里親を募集している方も。

今までの飼育法や、よく利用するお店を教えてもらい、できるだけその人と同じ飼育環境で飼うようにしましょう。 そして、その人がなぜヘビを譲ってくれるのかに注意して下さい。
たいていは繁殖で増えた、生活環境が変わって飼えなくなった、といった理由で譲ってくれるものですが、もしかしたら手に負えない性格のヘビ、飼育に掛かるお金が多いヘビなのかもしれません。

矢印 自分で捕獲する
農家の方など、素手でヘビを捕獲してしまう猛者もいます。
そのまま飼えばいいじゃないか、と考えてはいけません。野生のヘビは病気を持っていたり、虫に寄生されていたりします。また、人に慣れていないため、エサをあげても警戒して食べようとしません。
初めて飼う方にはオススメできない、失敗する確率が高い入手法です。

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矢印 4.ヘビを迎える準備をしよう!

まず、あなたが飼う予定のヘビがどこで暮らしていたのかを考えましょう。
水の近くで生きていたヘビなら、水槽に水を張って飼育する必要があります。ジャングルの木の上で生活していたなら、水槽でも良いですが、ショップで売っている木のケージに、木の枝なんかを入れてあげるのも良いでしょう。 それぞれのタイプに合わせた飼育用具が販売されていますので、蛇のことを知って、快適なお家を作ってあげてください。

ヘビのお家に必要なもの

矢印 エサ・水
ネズミ、鳥のヒナなどを与えます。
水は水道水で大丈夫。 エサはけっこう高価なので、学生さんはアルバイトが出来る年になるまでヘビを飼わない方が良いでしょう。

矢印 ケージ
ケージには、ガラス、アクリルで作られた水槽や、虫かごなどが使えます。
ケージを選ぶときに大事な条件は、
チェック 透明で中の様子が見えること
チェック 掃除が楽なこと(四角い形がオススメ)
チェック 空気穴があること(上が網になっている虫かごなど)
チェック 頑丈で逃げる隙間がないこと です。

いつでもヘビの様子が分かるように、逃げたらすぐに気がつけるように、透明なケージを選びましょう。ヘビの健康と、あなたと家族を守るための条件です。ヘビは脱走の名人なので、逃げられる穴や隙間がないかもチェックしておきましょう。

矢印 水入れ
すべてのヘビに必要です。
脱皮前に水入れに入ったりもしますので、ヘビがとぐろを巻いたときよりも一回り大きなものを用意しましょう。入りやすいように広く浅く、ひっくり返したりしないように安定の良い、陶器製のものなどがおすすめです。

矢印 保温器具
ヘビは自分では体温調節が出来ないので、保温器具は必需品です。
保温の方法は2つ。ケージ全体をあたためる方法と、スポットライトを使って一部だけあたためる方法です。ヘビにあわせて、いろいろな保温器具が用意されています。

矢印 床材
ケージの床に敷くもの。
ヘビが隠れたり、フンをしたらその部分だけ取り替えることの出来る、ウッドチップがおすすめです。乾燥しているのが好きな子には赤土、湿気を好む子には腐葉土かバーミキュライトが良いでしょう。

矢印 隠れ場所(シェルター)
ヘビは身を隠して生活しています。
植木鉢やレンガ、流木などを入れ、ヘビが隠れたり、遊んだり出来る場所を作ってあげましょう。脱皮するときに、これらに体をすりつける子もいるので、ケガの危険のないものを用意して下さい。シンプルなもので十分なので、たくさん入れる必要はありません。

矢印 観葉植物、エアープラント
木の上で生活するヘビに必要です。それ以外のヘビには必要ありません。
枯れにくい、丈夫なものを選びましょう。ヘビの体を傷つけないよう、とがった葉やトゲを持つものは避けます。

ケージの大きさ、置く場所は?

ヘビはあまり動かない子が多いです。
ケージはそれほど大きくなくても大丈夫。120cmほどのヘビ一匹なら、60×45×45cmくらいのケージで十分です。しかし、子供のときと大人になってからではサイズが全く違うヘビもいるので、ショップの店員さんと相談しながら、大きめのケージを用意しましょう。

ヘビはとても神経質なので、ケージを置く場所には気を使わなければなりません。なるべく静かで揺れのない、安心できる場所においてあげましょう。

矢印 ケージを置く場所の5つのポイント
チェック 静かで振動が少ない
チェック 薄暗く落ち着ける
チェック すぐに目に付く(異常に気がつきやすい)
チェック できるだけ日光があたらない涼しい場所
チェック 風通しがよい(虫、病気の予防になる)

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矢印 5.ヘビのエサって?

ヘビは肉食です。
何を食べるのかと言うと、ネズミ、鳥のヒナ、カエルなどです。これらを丸呑みするので、エサが気持ち悪い、かわいそうと感じる方は、ヘビを飼うのは止めましょう。
また、エサはけっこう高価(マウスを与える場合、週500円~2000円くらい必要)なので、自分がこの先10年間エサを買いつづけられるかどうか、よく考えて下さい。

ヘビは生き物を狩って食べます。なので生きたエサを与えた方がよく食べます。が、生きたエサはヘビを傷つけたり逃げたりして大変です。食べてくれるのなら、冷凍エサを与えたほうが手間が掛かりません。

エサの種類

矢印 マウス
よくあるエサです。
ネットショップでも出回っていて、手に入れやすく扱いやすいです。
どのくらい成長しているかによって商品名が変わります。

矢印 マウスの商品名
・ピンクマウス(生まれたて、小さく毛がない)
・ファージー(生後数日、うっすら毛がある)
・ホッパー(活発な子ども、中サイズ)
・アダルト(繁殖できる、大サイズ)
・オールド(いちばん大きい)

基本は冷凍ものですが、もし生きたマウスを与えたい場合、自分でマウスを育てましょう。
飼育が楽ですぐ増えるハツカネズミがおすすめ。実際エサとして飼っている方もいます。ですが、ほんとうにすぐ増えてしまいますし、かわいそうだと感じてしまう可能性もありますので、 無理に飼う必要はないでしょう。

矢印 鳥のヒナ
ヒヨコ、ウズラなどです。鳥を主食としているヘビのエサです。
手に入りづらいのが難点です。

矢印 カエル
ヘビの専門店などでよく見かけ、お財布にもやさしいです。

エサの与え方

お迎えしたばかりのヘビは、警戒してエサを食べようとしません。 あたらしい環境になれるまで、そっとしておきましょう。数日待って、ヘビが落ち着いたころにエサを与えます。
エサをピンセットでつまみ、ゆっくり動かしながらヘビの体に触れさせてみて、少しづつ頭の方に近づけて下さい。ヘビがしきりに舌を出しているなら、頭の近くにエサを置いてあげましょう。早く動くと驚かせてしまうので、ゆったり動いて下さい。
これで食べなければ、新しいエサを用意して、食べるようになるまで毎日エサやりを続けて下さい。エサやりは飼育の第一歩です。

エサの大きさは、ヘビの胴の太さくらいのサイズが望ましいそうです。
冷凍ものはドライヤーなどで人肌温度に解凍して、飲み込みやすいように頭から食いつかせるのがポイント。エサを食べたら、数日はそっとしておきましょう。びっくりするとエサを吐いてしまうことがあります。
ヘビによりますが、だいたい月に3,4回くらいエサやりをします。

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